上げて終わる
フルマラソンを走ると決まってから、どうせやるなら、自己流でただただ長い距離や長い時間走るのではなく、ちゃんと先生から学びたいと思って、入ったランニングクリニック。
何事も一流を知るとか、一流から学ぶということは、普通の人からのそれとは全く違います。
そのときの講師の先生は、私より少し年上の女性で、フルマラソンを2時間台で走るトップクラスのランナー。
現在は、関西の某大学の陸上部でコーチをされています。
座学から、ストレッチ、ランニングフォーム、ランニング日誌までしっかりと、しかも無料同然でサポートしてもらいました。
そんな彼女から教わったことのひとつが、毎回のランニング練習を『上げて終わる』ようにするということ。
どんな距離の練習をしても、どんな内容を挟んでも、必ず最後の1km、最後の1分、最後の100mだけでもいいから、必ず加速して、出し切って、気分よく終わる。
ウェイトなどのトレーニングでも、きついと感じるところから2、3回やるといいというアレと同じようなものです。
追い込み、っていう表現がしっくりくるのでしょうか。
もう限界と思っていたとしても、実は自分にはまだ余力がある、といういいイメージを自分のなかに残して終わるということがとても大事だと教わりました。
実際に、『限界』は自分が作り出した幻想、ということも私がランニングから学んだことのひとつ。
自分でも驚いたことに、初フルマラソンのゴールの瞬間、気を抜いたらいまにも膝から崩れ落ちそうな感覚でしたが、そのあとは、一時間ほど身体を休めて、甘いものを食べたら、あと10kmくらいは頑張れば走れるなと思ったものです。
上げて終わるということと、自分自身に対して勝手に限界を作ってしまっていないかという2つのことは、意識して日常のいろんなシーンで思い返しては、応用しています。